ながやまハンマー

ながやまによる Warhammer 40k に関するブログ。

ウォーハンマー10版からマッチプレイを始めてデミバトで準優勝するまで (2) 初心者として学んだこと編

さて、以前の前日譚に続いて、実際のデミバト当日の話をする前に、半年間ガッツリマッチプレイをやって感じた学びをいくつか書いておこうと思う。わたしのような新参から他者にアドバイスなどおこがましいという気持ちもあるが、自分にとって気づきだったことを書くことを通じて、同じようにマッチプレイを最近始めたという人の役に少しでも立てれば本望だ。前編はこちら。

hammer.nagayama.dev

「本能」を抑えろ

まず感じたのは、マッチプレイは実はある意味で特殊な遊び方だということ。なぜなら、マッチプレイで勝つためには「本能」を抑える必要があるからだ。

ウォーハンマーは多大な金銭的及び時間的投資が必要な遊びだ。どんなウォーゲーマーも、自分が精魂込めて組み立て、大切に塗ったモデルを戦場に配備しているわけである。だから我々は皆自分たちのモデルを使ってできるだけ多くの戦闘をしたいし、リデンプタードレッドノートのプラズマインシネレーターが敵を焼き切り、トラックに乗ったボウイたちが Waaaaaaaaggggggghhhhhhhh! と叫びながら敵を蹂躙し、あるいはヴォイドドラゴンがその光輝く槍で相手のヴィークルをめちゃくちゃにするのが見たいと思っている。この西暦4万年の終わりなき戦争の中で、ミニチュアたちがどのような物語を紡ぐのか、それを見てみたい、というのがミニチュアを作っている人の「本能」であると私は思う。

だからナラティブプレイでは、面白い物語を演出するために防御側にとって有利な戦場を作る代わりに攻撃側のptを増やすであるとか、勝利条件は敵の殲滅であるとか、そういうゲームを楽しむことができるようになっている。このようなゲームでは、お互いに消耗戦を続けていって最後まで戦場に残っていたやつが正義となる。

しかしマッチプレイはそういうゲームではない。誰が死のうが誰が生きようがそれが即時に戦況に影響を与えるわけではない。それは作戦目標を抑え、特定の行動を行なって勝利点を稼ぐゲームだからだ。だから我々は「早く敵を撃ちたい」とはやる心を抑えてポイントを優先しなくてはならないし、大切に大切に塗ったドレッドノートが相手のゴッドハンマーラズキャノン4発の直撃で爆散したとしても平静を保たなければならない。いや、むしろポイントを抑えるために必要なユニットを活かすため、ドレッドノートをあえて囮として使わなくてはならない局面さえある。我々にとってミニチュアは大切な大切な存在だが、いざマッチプレイが始まった瞬間、それらは単なる駒と化すのである。マッチプレイをやるなら、ウォーゲーマーの本能をうまく飼い慣らすことにまずは慣れなくてはならない。

戦略を持て

1000ptでも2000ptでも、「使いたいユニット」を漫然と入れただけでは戦略性のあるリストとは言えない。まず「このリストはどういった戦略を持ったリストか」を決めた上で、編成するユニットそれぞれについて、

  • リスト内での役割
  • 想定初期配置
  • 平均および最大脅威距離
  • 攻撃性能、防御性能

を考えた上で、「これらのユニットを5ラウンドを通じてどう動かして、どのように得点を取るのか」「この副次が来たらどのユニットでどう対応するのか」を把握しておく必要がある。

リスト内での役割もいろいろ考え方があるだろうけど、自分は基本的には以下のように分別している。ちょっと無理やりだがABCDEで覚えやすい。もちろん一つのユニットが複数の役割を持つこともある。

  • Attacker: 攻撃して相手に損壊を与える。グラディエーターだったりアグレッサーだったり。
  • Buffer: サポートとも。味方をバフしたり相手をデバフさせたりする。主にキャプテンやレフテナントなどの合流キャラクターユニット。
  • Chaff: スクリーンとも。相手の移動を阻害するために使うユニット。安く、かつ兵数が多いものが多い。耐久力が高いと嬉しいが通常はそうでもない。
  • Defender: タンクとも。とにかく死なずに目標を確保することが多い。タフネス、セーブ共に高く、傷が多いものが最高。FNPあるとより良い。
  • Executer: アクションモンケイ、スコアラーとも。副次などのアクションを行うためのユニット。できれば死にづらい単独工作員で移動が柔軟にできると良い。

どういうアーキタイプで行きたいかに応じて、どのユニットを多く入れるのか決めよう!基本は主要と副次を取るゲームだから、主要を抑えるディフェンダーと副次を取るためのエクゼキューターは必要だ。あとはアタッカー、バッファー、チャフをどういうバランスで入れるか(あるいは兼務させるか)を考えよう。

共通策略を使え

とにかく初めたてだと忘れがちな共通策略。絶対にあらゆる人類が使うべき共通策略TOP5をお教えします。

  • Tank Shock: ヴィークルかモンスターなら突撃してモータルを叩き込める。大体ヴィークルの攻撃はS6~S10で、相手の耐よりも高いことが多いので、8~12個くらい振って5+でモータルだから期待値3~5点くらいは入るはずだ。
  • Grenade: こちらはグレネードがついているユニット(主にインファントリーが多い)の射撃前。6D6振って4+なので期待値3点。自分のユニットに「グレネード」キーワードがついているかどうか常に確認しよう!
  • Rapid Ingress: 相手の移動フェイズ終了時に戦略的予備兵力を出したり縦深したりできる!そうすると自分の移動フェイズで移動した上で突撃などができるので、単純な縦深攻撃よりもかなり突撃の成功率が上がるぞ。
  • Smokescreen: 「スモーク」キーワードを持っていれば、カバー (実質 1 AP 無効) およびステルス (-1 to hit) がつけられる。かなり当たる確率が変わってくるぞ。
  • Counter-Offensive: 自分が2CP持っていて相手のユニットが複数突撃した後、突撃したユニットのうち1体が殴り終わったら、「じゃあ先に殴りますね」ができる。かなりゲームの行く末が変わるので、突撃する前に相手が2CP持っているかを確認しよう!

この辺りを常に使えるようになると、だいぶ初心者を脱して来た感があると思う。

カバーを貰え

Benefit of Cover があるかどうかはめちゃくちゃ重要だ。カバーがあればセーヴィングスローに+1がつく。元々が3+のセーブを2+にすることはできないが、それ以外のあらゆるシチュエーションで有効だ。4+セーブの時相手が貫通0なら3+でセーブできるぞ。しかし、「いつカバーをもらえるか」が結構ややこしい!正直今でも自信がない。テレインの種類によっても変わってくるのだが、基本のテレインである廃墟については、「攻撃するユニット内のすべての兵から、攻撃されるユニット内のすべての兵が廃墟テレインによって完全視認でない」場合は、完全視認されていない兵についてはカバーがもらえる。

例えば「10体のアサルトインターセッサーのうち9体は完全視認されているが、1体は廃墟で部分的に隠れている」ような場合、隠れている1体の兵のみカバーが貰える。ということは、「カバーをもらってセーブをしたい場合は、隠れている1体の兵が死んだらもうカバーを貰えないので、ダメージ1の射撃なら2個ずつ、ダメージ2以上の射撃なら1個ずつセーブを振る必要がある」ということだ。これめっちゃ忘れがちなので注意しよう。俺もよく忘れる。

他、廃墟ではないテレインやヴィークル、タワリングの話が絡んでくるともっとややこしくなるので、定期的に Goonhammer の記事やルールコメンタリーを読むようにしています。Goonhammer の基本ルールの記事はわかりやすくておすすめだよ。

Goonhammer Reviews Warhammer 40,000 10th Edition – Part 1: The Core Rules | Goonhammer

相手の縦深を潰せ

自分は初期配置の際、自分のチャフユニットを戦場のそれぞれのハジから 9mv 離れたところにまず1体目を置き、そして 2mv ギリギリのところに兵を足していくことによって相手の 9mv 縦深を崩せるようにしておくことに命をかけています。もちろん相手に 3mv 縦深がいる場合はこれはできないのですが、いない場合はこれでかなりの敵を潰せます。あと相手にバイオヴォアがいた場合は必ずこれをマストやる必要がある。これの一番強いバージョンがインフィルトレーター+フォボスライブラリアンで、この合流ユニットがいると 3mv 持ちも縦深拒否できてかつ 12mv 以内に入らないと撃てないので間接射撃も無効化可能で最高。でもptによってはリストに入りきらない場合もあり難しいですね。スカウト2体で十分な局面も多いです。

考えるともうちょっとある気もしますが一旦これくらいにしておきます。一体いつになったらデミバト当日にたどり着くのか!?